2009年4月22日水曜日

第3週 テーマ発表とワークショップ

今週は山崎先生の人間中心設計に関する講義から始まりました。
■ 顧客(対象ユーザー)にとって満足度の高い製品やサービスを提案するために、[対象ユーザーの理解]を深め、[プロトタイプの制作]と[ユーザーによる評価]を繰り 返し行うことが重要
■ 製品やサービスには[魅力的品質]と[当たり前品質]が存在し、両方への配慮が必要


次に、先週グループごとに話し合ったテーマを発表しました。対象ユーザーとシーン程度でよかったところをほとんどのグループが少し突っ込んで具体的なアイデアまで考えてきてくれました。
アイデア出しは
市場やユーザーの調査を十分に行ってから次週以降本格的に行 うので、発表したアイデアも含めてそのときにしっかり検討しましょう。

発表内容をテキストのみで見せていたグループがありましたが、スケッチや写真を使って 視覚的に伝えるようにしましょう。「相手に伝えること」を考えれば当然のことです。プレゼン資料の長いテキストをわざわざ読みたがる人は世の中にあまりいませんので。

皆さんが発表してくれたアイデアについて、「どこかで見たことあるな」というのがいくつかありました。この授業の成果物に なる「情報プロダクト・情報インターフェイス」に関しては、携帯電話/携帯ゲーム機/SNS や動画共有サイトのような星の数ほどあるWebサービスなどが既に存在する中で、新しいもの、テーマは似ていても現行より魅力的なものの提案を目指すこと になります。既に存在する製品・サービスについてはよく調べるようにしてください。



次に小規模なワークショップを行いました。




〔1〕自分の好きな花瓶を描く





〔2〕ポストイットに「花の楽しみ方」を書き出し、グループ化する





〔3〕前項をふまえて、花を楽しむシーンを考える:誰が・いつ・どこでをスケッチで描く

受講者は手を動かしながら「経験からアイデアを視覚化」することを体験しました。〔2〕のところで多くの項目が出ていたグループの方がその後のスケッチも手が進んでいました。

山崎先生の資料:METAPHYS garden "picture" planter / 倉俣史朗・Miss Blanche






最後に山崎先生からペルソナ手法に関する講義がありました。
対象ユーザーの満足度を追求したデザイン:リチャード・サッパーTizioやキャスター付きキャリーバック
■ 対象ユーザーを掘り下げるためペルソナ+目標(ゴール)+シナリオを考える



ゴールデンウィーク中にユーザー調査を行い、ペルソナを作成することが宿題です。

(TA深井)

2009年4月15日水曜日

第2週 グループ分けと八木先生の講義


授業の冒頭にNEXT COOL JAPANというコンペで入賞した修士1年の青木君が作品のプレゼンを行いました。この作品は前年度のこの授業で取り組んだ課題がベースになっています。Flashによる動的な資料を用意していて、聞く人にとってわかりやすいプレゼンだったと思います。表現力の幅をみせつけてもらいました。



次に、15週のあいだ協力して課題に取り組むことになるグループ分けを行いました。

■テーマA 学生にうれしい新しいエンタテーメントの情報デザインの提案
テーマB スポーツ施設でうれしい情報デザインの提案

上記のテーマから1つを選択、前回の宿題だったラフアイデア(対象ユーザー・場所・シーン)をグループ内で各々が発表し、グループの方向性について話し合いました。
5〜6人の構成でテーマAが10グループ、テーマBが5グループでき、それぞれのグループで班長や連絡係などの役割分担を決めました。









山崎先生がランダムに決めたグループ分けに受講者はとまどっていましたが、吉橋先生が的確な先回りで逃げ道を断つので、約80人全員がほぼ初対面同士のグループにもかかわらず活発に話し合いが行われました。





続いて今週から参加していただく元はこだて未来大学教授の八木大彦先生の講義がありました。ご自身の経歴や取り組み、ユーザー調査の手法について話していただきました。僕は去年も聞きましたが相変わらず密度の濃い内容でした。配布した9面のプリントは要点が詰まったスゴい資料なので卒業するまで(卒業した後も)参考にして欲しいと思います。



僕が「ブログを作りました」と報告したら受講者が少し驚いていたのが印象に残りました。
このブログのように授業内容等をインターネットで公開するようなスタイルは本学科を含め色々なところで行われています。在校生や本学科に興味を持つ高校生、企業の方など多くの人を対象に情報を発信しています。

■千葉工業大学デザイン科学科・2008年度情報デザイン論及び演習2
■横浜デジタルアーツ専門学校・情報デザインC

サイドバーのリンクもぜひ見るようにして下さい。講師3名のブログは圧倒的情報量と恐るべき効果半径を誇ります。山崎先生のブログに記事が載ったので、学外どころか国外からもアクセスがあるかもしれません。
5月に開講されるFlash基礎講座ですが、デザイン科学科のwebサイトでは昨年度の成果を「FlashLive」として発表したものを見ることができます。

授業の課題に関する調査でも、インターネットは大いに利用してもらいたいと思いますが、短時間で多くの情報を得られる反面、有効性の薄いものになることが大半なので、頼り過ぎは厳禁です(昔の僕がそうでした)。現状における問題点やユーザーの深い要求を探るためにインタビュー調査・フィールド調査を主体的に行うことが前提になります。

余談(と言うには失礼)ですが、このブログのタイトルでもある「Information Design」をgoogleで検索すると、、、皆さんこの意味を考えるようにしましょう。

(TA深井)

2009年4月8日水曜日

第1週 ガイダンス


1週目はガイダンスです。
山崎先生から授業全体の内容や課題、履修する上での諸注意や単位取得についての説明などが行われました。

今回の授業は株式会社コナミデジタルエンタテイメント(KDE)様との産学協同プロジェクトとして進行され、受講者が取り組む課題を提供して頂きます。

■授業の目的
製品やサービスにおける、実践的な情報デザイン手法を身に付けるとともに、企業にもっていくことのできるアウトプットを制作する。

■課題のテーマ(受講者はどちらか一つを選択)
テーマA 学生にうれしい新しいエンタテーメントの情報デザインの提案
テーマB スポーツ施設でうれしい情報デザインの提案



今年度も多くの学生が受講します。



今回の授業でアドバイザーとして参加していただくKDEの小林拓也さんのお話し。
ご自身の経歴や仕事内容を交えながらデザイナーとしての心構えや物事への接し方など、様々な内容について話していただきました。現場で働くプロフェッショナルからの講義に受講者は深く聞き入っていました。



続いて講師を担当していただく多摩美術大学の吉橋昭夫先生のお話し。
自己紹介を中心に多摩美のキャンパスをスライドショーで説明して頂きました。



次に前年度の授業を受けた4年生の選抜チームが成果物のプレゼンテーションを行いました。
受講者たちの目にどう映ったかはわかりませんが、この授業においては最終的に完成度の高いアウトプットが要求されます。

先生方からの説明にもあったようにこの授業は楽なものではありません。ですが、そのかわりに得るものも少なくないこともここで付け加えておきたいと思います。僕自身はこの授業を2回受けていて今回が3回目の参加になりますが、この授業内における取り組みで実践的なスキルや知識が身に付いたことを実感できました。



それでは約3ヶ月間よろしくお願いします。積極的に取り組みましょう。

(TA深井)

2009年4月1日水曜日

Blog OPEN

千葉工業大学工学部デザイン科学科にて2009年度前期、3年生を対象に開講される情報デザイン論及び演習1のブログです。

授業内容や活動を学内外に発信していきます。

記事の投稿はこの授業のティーチング・アシスタントを担当する、
深井将史(千葉工業大学大学院修士課程・デザイン科学専攻1年・山崎研究室所属)が主に行います。